これまで自動車ディーラーが、お客様の車庫証明書類を作成し、提出だけ行政書士に依頼するという流れがグレーとされながらも一般的でした。
ですが、令和8年1月1日に施行された行政書士法改正により、完全に違法となりました。
当サイトは自動車関連業務を主としているので、当事務所に今回の法改正の件でお問い合わせが大変増えています。
というわけで、本記事にて今回の行政書士法改正について解説いたしますので、行政書士法改正が業務に関係する方はチェックしていただければ幸いです。
行政書士法改正の趣旨
今回の行政書士法改正の論点は以下の3つです。
1.行政書士の使命・職責をより明確にした
2.特定行政書士の業務範囲を拡大した
3.行政書士または行政書士法人以外の行政書士法違反に対して、よりルールを明確化、かつ厳格化した
自動車ディーラー様が関係するのは3の部分。
冒頭でも触れたとおり、従来は自動車ディーラーが、「車庫証明と登録はうちでやっておきますから」とお客様に伝え、ディーラーが申請書類を作成するのが半ば慣習として常態化していました(厳密にはダメなのですか)。
そうした行政書士以外の者が、行政書士業務を行う状況を是正するべく、行政書士法第19条が以下のように改正されました。
第19条(業務の制限)
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
※太字の部分が今回の改正点です
「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されたことによって、どのような名目だろうと、実体的に書類作成を行政書士以外の者が行えば本条に反することになります。
なお、書類の作成のみならず、書類の修正や訂正もだめです。
したがって、お客様からもらった書類に不備があっても、それを自動車ディーラーが修正した場合行政書士法違反です。
さらに、今回の行政書士法改正で、両罰規定が盛り込まれたため、行政書士法違反を行ったディーラーのみならず、その会社も違反を問われることとなります。
第21条の2
第十九条第一項の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
第23条の3
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二、第二十二条の四、第二十三条第二項又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
この両罰規定の制定により、「担当者が勝手にやったことだから知りません」などという言い逃れは許されず、会社側も処罰の対象になります。
しかも、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と、それなりに重たい罰則であることに注意が必要です。
無料ならOKというわけでもない
「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」ということなら、「無料で書類作成するならいってこと?」と早合点してしまいそうですが、無料だからOKというわけではありません。
自動車販売会社等が、お客様に車両を販売する際、車庫証明及び自動車登録の費用はもらわなかったとしても、車両販売代金や整備等の料金の中に、書類作成代金も含まれていると解され、行政書士以外の者が書類作成することは許されません。
実際、日本行政書士会連合会が例示している、行政書士法違反の事例について、無償で書類作成してもだめだよと明確に指摘しています。
車庫証明申請・自動車登録業務は、本人か行政書士以外は無理
以上を踏まえると、原則、車庫証明申請書類(または自動車登録)の作成、書類の訂正・修正等は、申請者本人か、行政書士以外は無理です。
なので、間違っても自動車販売会社等のディーラーが書類を作成しないように。
思った以上に重い罰則がのしかかってきますし、会社の信用問題になります。
当事務所は書類作成を承っています!
当事務所は車庫証明申請書類の作成及び、配置図・所在図の作成も請け負っていますので、ご入用の際はご連絡ください。
申請書類の作成は1,100円、所在図・配置図の作成は3,300円です。
なお、書類作成の際は必ず委任状もご送付ください。
委任状がないと法律上、書類の作成ができません。
本記事が、自動車業務を行う方々の参考になりましたら幸いです。
【参考資料】
・「行政書士法の一部を改正する法律」の成立について
・行政書士法の一部を改正する法律案要綱
・行政書士法 | e-Gov